「腰蓑刑事の事件簿」Part.2
すいません。遅くなりましたが、Part.2です。Part.1で起きた事件が発端でしかなかったことが、今回判明します。中野達也はどこにいるのか?本当に犯人は中野なのか?考えながら読んでみてください。それでは、スタートです。
---スタート---
二章 第二の殺人
最初の事件から3日後の昼下がり、北田は捜査本部で電話番をしている。中野達也は、捜査員の必死の捜索にも関わらず、まだ見つかっていない。
(まったく、こんな何も謎の無い事件、所轄に任せておけば良いんだよ。)
北田はアクビをしながらうとうとしている。そこへ、電話が鳴った。
「へ~い、捜査本部。」
「おい!腰蓑!!お前、そんなとこで何してんだ!?」
「電話番という立派な仕事をしてま~す。」
「なにをのんきなこと言ってるんだ。おい、また殺人事件だ。」
「今回の事件と関連があるんですか?」
「それはまだわからんが、鋭利な刃物による刺殺という点と、滅多刺しという点は符号している。」
「でもそんなの、いくらでもある事件じゃないですか。」
「まったく・・・とにかく、所轄には害者の自宅に行ってもらったから、お前は害者の勤め先に行ってくれ。同僚や上司に聞き込みしてくるんだ。」
「でも、電話番は良いんですか~?」
「とにかく人手が足りん。これは上司命令だ!!」
「へ~い。」
「・・・お前、交番勤務でもするか?」
北田はおもむろに立ち上がり、受話器に向かって敬礼して、
「はい!部長!行ってまいります!!」
と言って電話を切った。
「え~と、唐沢建設・・・唐沢建設っと・・・えー!!」
北田は被害者の会社へと向かっていた。
「建設会社って言うから、ビルのワンフロア程度と思ってたけど、こりゃ、立派な自社ビルだな。」
北田は、とあるビルの前に立っていた。ゆうに10階以上はあるであろう大きなビルである。入り口には「唐沢建設株式会社」と書いてあった。
「ここに間違い無いな。しかし唐沢建設って・・・どっかで聞いたような。」
北田はビルに入り、受付に行き、警察手帳を見せて、
「あの、榊敏雄さんの部署に行きたいのですが。」
と質問をし、人事部であることを聞いて、エレベーターに乗ってその部署へと向かう。エレベーターを降りて廊下を歩いていると、向こうから女性が歩いてくるのが見えた。どうも見覚えがある。北田は近づいてきた女性に声をかけた。
「あの、・・・何処かでお会いしませんでした?」
突然話しかけられた女性は、立ち止まって、訝しげに北田にことを見ていた。すると突然、ポンっと手を叩いて、
「あなた、あの時の刑事さん!」
北田も女性をしばらくじっと見て、ポンっと手を叩いて、
「そうだ、あの時の、えっと・・・瀬戸さんだったかな?そのお友達の。」
女性はしばらく驚いたような顔をしていたが、すぐに訝しげな表情に戻って、
「なんなんですか、刑事さん。こんなとこまで来て。まだ千草に用があるんですか?」
「ああ、瀬戸さんもこの会社でしたか。今日は全くの別件ですよ。」
「別件って・・・それじゃ、千草に会いに来たんじゃ無いの?」
「ええ。だって、あなた達がここの会社だって、今知ったばかりですから。でも、唐沢建設って聞き覚えがあったわけだ。」
北田は女性から目を離して、一人納得しながら頷いている。そんな北田を見て、不思議そうにしていた恵子は、
「あの・・・それじゃ、私は行って良いですか?仕事がありますので。」
「ああ、ごめんなさい。話を聞くこともあると思いますので、その時はお願いしますね。」
恵子は頷いて、エレベーターの方へと歩いていった。恵子がエレベーターに乗るのを見てから、北田は携帯を取り出して、警部へと電話した。
「おう、腰蓑。何かわかったか?」
「この前の事件と繋がりましたよ、警部。」
「ほう、随分早いな。聞かせてもらおうか。」
「この前の事件でストーカーされていた瀬戸千草さんが、今回の被害者の榊さんと同じ会社に勤めてることが判明しました。」
「ほう、それで?」
「・・・それだけですが。」
「お前な、そんなことはとっくの昔にわかっとる。もっと深く掘り下げんかい!」
「へ~い、それじゃ、ボーリングの重機でも貸していただけますか?」
「・・・お前、飛ばすぞ。」
「はいはい、わかりましたよ。聞き込み行ってきます。」
北田は電話を切って、
(とりあえず、人事部に行って事件を報告して、その後の噂話でも盗み聞きするか。)
そう思いながら、廊下を歩いていった。
北田は人事部に行き、事件の事を報告して、通り一遍の質問をして周ったが、事前に情報を得ていた会社側が緘口令を引いたらしく、たいした話を聞くことが出来なかった。
(まあ、これも予想していたことさ。)
北田はおもむろにトイレに入り、スーツに着替え、何食わぬ顔で喫煙所へと入っていく。中には、数名の男性がタバコを吸いながら談笑していた。その中に、『榊』や『人事部長』という声がもれ聞こえてくる一団があった。北田は、ゆっくりとその一団に近づきながら、聞き耳を立てる。
「おい、人事部長、亡くなったらしいぞ。」
「ああ、俺も聞いたよ。なんでも殺されたって。」
「あの人、女癖が悪いって噂だったからな。」
「そうらしいな。酔うと必ず女性社員に絡むって。」
「どうやら、それだけじゃ無いらしいぞ。立場を悪用して、女性社員を手篭めにしてるって噂もあるぜ。」
「そんなの、単なる噂だろ。今時、そんなことあるのかな?」
「わからねえよ。ひょっとして、お前の彼女も手篭めにされてるかもよ。」
「おい、冗談はよせよ。」
そんなことをひとしきりしゃべった後、男達は喫煙所から出て行った。
(ほぉ、なかなか興味深い話じゃないか。さて、もう一箇所。)
北田は喫煙所を出て、
(えっと、給湯室はっと・・・)
とつぶやきながら、廊下を歩いていく。やがて、廊下の一番奥の部屋の扉の前に立ち、給湯室と書いてある事を確認して、扉をそっと開いて中を覗いた。中には、4人の女性が話をしていた。タバコを吸っている女性もいる。幸い、皆扉を背にして話をしている。北田はゆっくりと中に入り、扉を閉め、女性達の後ろで聞き耳を立てる。
「あんな奴、殺されて当然よ。」
「えっ、どうして?」
「あなた知らないの?あいつ、自分の立場を利用して、女性社員にちょっかい出してたって有名なんだから。」
「へぇ、全然知らなかった。」
「あいつのせいで、何人の若い女性社員が辞めていったか。」
「人事部長って、人の良さそうな人なのに。」
「あんたも気をつけなさいよ。なんでも、経理部の課長もグルだって噂だから。」
そこまで聞いて、北田は、
「へえ、人事部長亡くなったんですか。」
と声を発した。女性達は驚いて、皆北田の方を見た。
「あなた、いつ入ってきたのよ?」
「へっ?ついさっき。気付きませんでした?」
「・・・あなた、誰?」
「申し遅れました。営業部の北田です~。さっき外回りから帰って来たばかりでして。」
そう言って北田はタバコを一本取り出し、口にくわえて、ポケットを一通り探った後、
「すいません。火かしていただけますか?」
「あなたね、喫煙所で吸えば良いでしょ。」
「ごめんなさい。あそこ男臭くって。俺、ああいうの苦手で。」
そう言って頭を掻いた。タバコを吸っていた女性が、北田に火を貸す。
「ところで、部長と課長がどうとかって、何ですか?」
女性達は、北田を警戒してか、話すのをためらっている。
「大丈夫ですよ。俺、口堅いし。それに、しょっちゅう外回りだから、余り人と話しないし。」
なおも女性達は口をつぐんでいる。
「あの・・・盗み聞きしたのは悪いと思ってます。でも、あそこまで聞いちゃったら、後が気になるじゃないですか。お願いしますよ。」
そう言って、北田はヘラヘラしながら手を併せた。
「もう、絶対に内緒だからね。」
「ありがとうございます。私にはあなたが天使に見える。」
そう言って、北田は両膝を付いて、祈るような仕草をした。それを見て、女性達はくすくす笑っている。
「どうやらね、部長の榊が気に入った女性がいると、まずは課長に連絡して、その女性にリストラの対象になっているとか、減給するとか言ってもらうらしいの。そして、女性が困っているところに部長が出て行って、相談に乗ってあげて、俺がなんとかしてあげよう、って言うらしいの。その見代わりとして、関係を迫るって。」
「へぇ、そりゃ悪どいね。でも、関係って?」
「勿論、体に決まってるじゃないの。一回体を許すと、それを口実に、何度も迫るって噂よ。」
「でもそんなの、他の上司に言えば良い事じゃないの?」
「そうした人もいたわよ。でも、すぐに辞めさせられたわ。そんなことが噂になって、泣き寝入りする女性が多くて。今までに何人辞めていったか。」
「全く、男の風上にも置けない奴だな。そんなこと知ってたら、俺が先に殺してたかも。」
北田は、おもむろに時計を見て、
「おっと、そろそろ外回りの時間だ。」
そう言ってタバコをもみ消すと、外に出て行こうとする。
「ねえ、あなた。絶対に内緒だからね。」
「わかってます。ありがとう。また寄らせて下さいね。」
そう言って、ペコっとお辞儀して外に出て行った。
「ねえ、あいつ、見たことある?」
「それより、うちに営業部ってあったっけ?」
そんなことを話しながら、女性達も外へと出て行った。
北田は、すぐに経理部の課長の黒田を、別室へと呼んだ。一目見て、
(自分の保身しか考えられない、小心者だな。)
と北田は感じた。そして、黒田が席に着くなり、
「榊さんを殺した犯人は、次はあなたを狙いますよ。でも、あなたがシラを切るなら、警察はあなたを守ることは無いでしょう。」
と言った。この一言だけで、後は何もいらなかった。黒田は、自分も榊にリストラを理由に脅されて、仕方なく片棒を担いでいたこと、自分は女性に対して脅しを入れるだけで、実際に女性と関係を持ったことは無いこと、そして、最近榊が目を付けていた女性が、瀬戸千草であったこと、などを半分涙声になりながら語った。
「あなたは自分の保身のために仕方なくやっていたと思っているかも知れないが、そのために傷を負った女性がたくさんいることを忘れてはいけません。あなたは立派な犯罪者だ。全てを話して、警察に保護を仰いでください。」
黒田は観念したように頭を垂れ、うなだれ、すすり泣き始めた。そんな時、警察官が2人部屋に入ってきた。北田は黒田を警察官に任せて、部屋から出て行った。
(さて、次は瀬戸さんだな。)
北田は瀬戸千草を別室に呼んだ。
「挨拶は省いて、早速本題に入ります。今日、人事部の榊部長が亡くなったことはご存知ですね?」
「はい、先程、人づてに聞きました。」
「単刀直入に申します。榊部長は、殺されました。しかも、中野夫妻と同様の滅多刺しによる刺殺です。」
それを聞くと、千草は下を向いてうなだれてしまった。
「瀬戸さん、先程、経理部の黒田課長から、あなたと榊部長のことを聞きました。申し訳ありませんが、あなたから詳しく話してもらえますか?」
千草は相変わらずうなだれている。今にも泣き出しそうな感じで。
「瀬戸さん、もしあなたと榊部長の間にトラブルがあったとしたら、何らかの手段でそれを知った中野達也が、あなたのために榊部長を殺した可能性が出てきます。もしそうなら、あなたが一番危険だ。」
千草はなおも黙ったまま。
「もうこれ以上、中野に人を殺させてはいけない。そして、何よりもあなたを守りたい。そのためには、あなたの証言が必要なんだ。分かっていただけますか?」
千草はなおも黙っていたが、意を決したように顔を上げると、自分と榊とのことを話し始めた。自分がストーカー被害に遭っていることを会社に話すと、黒田から自分が相談に乗ると連絡があったこと、黒田に相談したら、そんなトラブルを抱えている社員を雇っているのは危険だから解雇もやむおえない、と無碍に言い放たれたこと、それを伝え聞いた榊から、自分から会社に取り成して何とかしてあげよう、その代りに、今度食事に付き合ってくれ、と言われたこと、榊の悪い噂は同僚や先輩から聞いていたので、どうしようか悩んでいた時、黒田から追い討ちの連絡があって、仕方なく榊の誘いを受けたこと、それを涙ながらに語った。唯一救いだったのは、榊との約束は今日の夜だったため、千草が榊の毒牙にかかることが無かったことである。
北田は、その話を聞いていて、胸が痛くなる感じに襲われた。千草は、全部話し終わると、その場に泣き崩れてしまった。その姿を見て、冷静さを取り戻した北田は、優しく言った。
「ありがとう。すいません、辛いことを話させてしまって。黒田はもう警察で保護しました。これから警部に連絡して、あなたの警護を厚くしてもらえるよう要請しますので、しばらく待っていてください。」
そう言って、北田は部屋から出て行く。入れ替わりに、入り口で待っていた警官が部屋の中へと入っていった。
北田は誰もいない会議室へと入り、鍵を閉め、携帯で警部へと連絡した。一連のことから、警部も今回の事件は中野達也による犯行と定めて、中野の立ち回り先の捜査を重視すると共に、瀬戸千草の警護を、中野の捜索の意味を込めて厚くすることを約束してくれた。その上で、
「おい、腰蓑、お前が瀬戸さんの警護をしろ。」
と命令した。
「えっ、俺が?」
「そうだ、お前が一番、彼女と接してるだろ。お前が適任だと俺は思うがな。」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。俺、警護とか尾行とかが一番苦手なのに・・・」
「ちょうど良いじゃないか。苦手克服のチャンスだ。」
「ちょっと、待ってくださいよ。」
「これは命令だ!彼女の家の方にもう一人送っておくから、二人で24時間、しっかり見張るんだ。いいな!」
そう言うと、警部は一方的に電話を切った。北田は千草のいる部屋に戻ると、
「すいません。私があなたの警護をすることになっちゃいました。家に送りますので、準備してきてください。どうせなら、お友達もご一緒に。」
そう言って、千草に笑いかけた。千草もその笑顔につられて、笑顔を取り戻した。
(Part.3に続く。)
---エンド---
いかがでしたか?今回は、第二の事件もさることながら、北田刑事の捜査内容が主題となってしまいました。これから事件はどう発展していくのか。中野はいったいどこに潜んでいるのか。次回、事態が急展開する予定です。お楽しみに^^
【今日のWF】
イベントでは、ゴールデンカープや色アロが釣れてますねwとりあえずまとまると、
インディゴアロワナ A-2 おとうさん
グリーンアロワナ B-2 やわらか
パープルアロワナ B-3 手作り
イエローアロワナ C-3 仙人
レッドアロワナ D-2 トーナメント
ブルーアロワナ D-3 鉄
ゴールデンカープ 移動 しゃべる&職人
と言ったところでしょうかwイエローの仙人は、メマイ川のショップで売っていないので、他のルアーでも釣れそうですねwそれにしても、ゼブラはどこ~ww
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